寝太郎ブログ

2月10日文庫本発売→『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫)』

コンポストトイレが報せる春  


日中の気温が15度程度になってくると、コンポストトイレが息を吹き返す。南向きに開けた通気口のせいで、おそらく温室のように暖かくなるのだろう。

我が家で真っ先に春の訪れを報せるのはコンポストトイレに出現する小バエである。詳しい種類は知らないが、いわゆる銀バエなんかよりもずっと小さい、飛んでも音すらしないような、薄色の小バエ。

それが、コンポストトイレに投げ込まれた諸々の諸々の諸々のものが創り出す、おそらく彼らの目には奇跡の楽園と映っているであろう箱庭の中を、のそのそと這いずり回るようになる。

それと前後して、これまたコンポストトイレに放り込まれたキャベツの芯やらエノキの石づきやらが、コンポスト内の諸々の諸々の諸々の養分を吸って、新しい芽をニョキニョキと生やすようになる(摘み取って食べられそうである)。

前に書いたように(参考:コンポストトイレの蛆について)、生ゴミや汚物の処理のプロセスとしては、このコンポストトイレという中間プロセス自体が何か余計なもののように感じていて、もう少し直接的に自然の循環の中に戻せないものかと思うのだが、この奇跡の楽園を一日10分程度上からじっと眺めるのも心が洗われるところがあるので、むしろ瞑想に代わる新しい「コンポストトイレ観察による心の浄化法」のような癒し系セミナーを立ち上げたらどうかと、そんなことを考えている。

さてこうしてコンポストトイレに春が訪れた後に、少しずつ室内でハサミムシを見かけるようになったり、玄関先でカメムシを踏みつぶすようになったりして、やがて、木々が緑めいてきて、堂々たる春が訪れるといった具合である。

もう少しすると、この楽園は、ハエ・アブ類の子孫によって「大地蠢く」ようになる。

今日は少し下品な話になった。お口直しに、諸々の諸々の諸々のものをまぶして作った芳香漂うフレンチトーストの画像をお楽しみください。

P1050088.jpg




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コンポストトイレの蛆について  


暖気のせいか、コンポストトイレには既にハエが侵入、そしてコンポスト内には小さな蛆が。
コンポストトイレの蛆は、毎年のことである。何しろ造りが雑だから、アナグマに大きな穴を開けられるまでもなく、隙間からハエやアブが入ってきて、卵を産み付けていく。
その数たるや、土の代わりに蛆を入れてるんじゃないかというくらい、とにかく膨大である。

最近発生しているのは、まだそこまで大量ではないのだが、いわゆる普通のハエの蛆で、小さくて、白くて、ネチャネチャしている。
毎年発生するのは、細かな種類は知らないけど、ミズアブやコウカアブなどの、いわゆる便所蜂の幼虫。こちらは、大きく、色が黒く、蛆自体は乾いた感じである。
動き方が全然違って、ハエの蛆のほうは尺取虫みたいに結構素早くヒョコヒョコ動く。ミズアブのほうは、大きいぶん動きが鈍く、ウネウネしてるだけ。

実は前に撮っておいた写真もあるのだが・・・自重しておきます。どんなのか知りたい方は、「ミズアブ 幼虫」で検索してください。

ウ○コや生ゴミを投入すると、下のほうから飛び出してきて、数時間できれいさっぱりなくなる。その分解能力は、微生物はもちろんのこと、ミミズなんかと比べても圧倒的に優秀である。もっとも、微生物とは分解の段階が違うのかもしれないが。
その分解能力を活かして、バイオコンポストやミミズコンポストと並んで、ミズアブコンポストというのも存在する。

コンポストトイレに蛆が発生して何か問題があるのか、というと、特に何も問題はない。
強いて言うなら、気持ちが悪い、ミズアブの場合は微かに独特な臭いがする、這い出してくることがある、そして羽化することもある、というくらいである。結構な問題か。

でも、なぜだかそんなに困った覚えは無いのである。羽化するといっても、別に、蓋を開けたら無数のミズアブが飛び出してきたという覚えはない。やつら成虫も結構おとなしい。這い出しも、コンポストの外で何匹か見つかったこともあるけど、困るというほどではなかった。
気持ち悪いのも、さすがに最初に見たときはギョっとしたが、こんなものは慣れの問題で、少なくともトイレで上から見ている限りではもう、いくらたくさんでも全く気持ち悪いとは思わない。何しろ実害はないのだから。「エサの時間だぞー」ってなもんで。

とはいえ、できることなら蛆は湧かないほうがありがたい。そのためには、とにかく成虫の侵入を防ぐ、つまり隙間ができないようにキッチリ作ることだろう。僕が一番苦手なことである。
あとは、雑に作るのであれば、便器の形を洋式ではなく和式にしたほうが、直接座らなくて済むので気分的にも安心だろう。
余談だが、どうしてどこもかしこも中途半端な洋式トイレになっているのか。洋式というのは、ちゃんと管理できる環境じゃないと不潔だし使いにくい。無数の人が腰掛けた便座に座るわけである。おまけに冬は冷たい。和式のほうがずっと優れていると思う。薄汚れた洋式トイレより、我が家の和式ウジトイレのほうがよっぽど清潔なのである。

僕がいつも思うに、コンポストトイレという中間プロセスすら余計だということ。蛆なんて、トイレで湧くから気持ちが悪いのであって、自然界と繋がった状況では別に気持ち悪いものじゃない。糞尿も、自然に晒しておくぶんには大して汚いものじゃない。それがトイレという自然から切り離された装置で滞るから汚いのである。

海の上では、排泄物はそのまま落下させて、魚やプランクトンの餌になる。極めて自然なプロセスである。ただし、ダイビングや素潜りのときは、停泊中のボートの真下に行くと酷い目にあう。

toilet2.jpg

陸上でも、基本的にはそれがいいはず。土や空気に晒して、外界と繋がった状態にしておくのが一番いい。
単なる野糞だと、法律はさておくとしても、天候に左右されたり、利便性に欠けたりする気がする。
ちょっと高いところにトイレを作って、落下先がそのまま自然かちゃんと腐熟・発酵させられるようなコンポストになっているとか、何かうまい方法無いのだろうか。
・・・と考えていくと、結局、昔の肥溜め便所みたいなものになるのだろうか。

toilet1.jpg

いつか新しいトイレを作る機会があったら、コンポストトイレすら取っ払いたいと思っている。
肥溜め方式の場合、悪臭の原因が主として尿、アンモニアなので、糞尿分離方式にすれば臭いもさほどではないはず。

小便は窒素やリンなどの栄養分を多く含んでいたため肥料としての価値があり、とくに夏場のキュウリやナスにはとても有効だった。大便所の大便は数ヶ月発酵させてから水田や麦作畑に持っていった。大便と小便を分けた合理的な「大小便分離型トイレ」が、昔の西日本では一般的であった。(『水と暮らしの環境文化』p.28)

ちなみに、前に糞尿分離型コンポストトイレを調べていたときに知ったのだが、大小便を同時に排泄することができる(あるいはせざるをえない)のは日本人だけらしい。だから、北欧の人なんかは、分離型コンポストトイレをうまく扱うことができるらしい。



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