寝太郎ブログ

2月10日文庫本発売→『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫)』

朝焼け、ラオスにて  


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美しい景色を意図的に追い求めることはできない。「美しい景色を見たい、それによって心動かされたい」という不純な予定調和が美しさの感覚を汚すからである。美しさとは、それ自体を目的とするのではなく、何か別の文脈の中で、ふと気づいたときにそこにあるものでなければならない。

ところで、最も大きな文脈とは「生きる」ことそのものである。したがって、人の中で「生」が失われたとき、美しさは完全に失われる。あらゆる文脈を離れたとき、それらはただノスタルジックな感傷としてのみ残る。

バスに乗った際、人気のない山道で乗用車がオーバーヒートして煙を上げ立ち往生しているところに通りかかった。バスは停車し、乗客は次々に飲み水を差し出した。乗用車の家族はそれで車を冷やし、走り去ろうとするバスの後ろから何度も手を合わせお辞儀をしていた。

前に、人は人を助けることはできないと書いた(「他人のためでなければ力が出ない」「どうやって生きていったらいいのか」)。人を助けようとする意図そのものが、相手が本当に救われるということを不可能にするからである。何か別の文脈を生きる中で、意図せず出会い、共鳴し、それが結果的に力になるという形でしか人を助けることはできない。

ところで、最も大きな文脈とは「生きる」ことそのものである。したがって、人の中で「生」が失われたとき、人を助け人から助けられるという行為は完全に失われる。




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category: ラオス
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