寝太郎ブログ

2月10日文庫本発売→『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫)』

「無農薬」の難しさ  


「無農薬」を手放しで喜ぶことはできない。

植物は生き物であり、生存競争の強大な勢力のひとつである。動かない植物は、動物に対して圧倒的に不利である。だから、ほとんどの植物は、代わりに強い毒を持っている。だから、動物に食べられにくく、虫もつきにくく、病気にもかかりにくい。だから、自然界では農薬なしでも生きてゆける。

その中でも比較的毒性の弱いものを人間が選び、かくまい、さらに毒性が弱く可食部が多くなるよう改良してきた。それが、野菜や果物である。だから、野菜や果物は生き物として非常に弱い。だから、農薬が必要。

病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解『病気はなぜ、あるのか』に印象的な例が載っていた。
ジャガイモは毒が無ければ単なる栄養の塊であり、ありとあらゆる動物に食い散らかされる。そのため、野生のジャガイモは猛毒である。
現在の食用のジャガイモは、アンデスの先住民が、人為的な選択を重ね、より毒性の弱い品種へと改良してきたおかげである。
20世紀末に「病気に抵抗力があって、農薬を使う必要が無い」というジャガイモの新種が導入され、市場に出回るまでしたが、それは人間を病気にさせるものであった。その病気の原因は、アンデスの農民たちが何百年もかけて取り除いてきた野生ジャガイモの毒素であった。
・・・笑えない話である。
サイロでは、虫やネズミから穀物を守るために、有毒な蒸気がまき散らされる。硝酸塩のような明らかに有毒な化学薬品が、私たちの食料の貯蔵寿命を延ばすために使われている。・・・現代は、私たちが口にする食べ物という点で、特別に危険である。その通りか?いや、実は、そうではない。・・・私たちは今や、石器時代や初期の農耕時代以来、多くの自然の毒素にさらされる機会はずっと少なくなった。
つまり、自然毒と農薬は二者択一の関係にあるのであって、無農薬が無条件に良いわけではない。

もしも、自然毒もなく、農薬も使わないとすれば、人が原始的な方法で手をかけてやるしかない。虫がいたら手でつまんで潰してやるしかない。
無農薬で、かつ毒性の低い品種で、かつ人の手がかかっている、三拍子揃って初めて意味がある。

ところが、これをしようとすると、高速回転の現代社会では、採算が合わない。大量生産するためには、何らかの毒のリスクを負わなければならない。
ここで初めて、スローとか、スモールといった志向の価値が出てくる。


強く元気な植物は、誰に対して強く元気なのか?僕らを含むそれ以外の生物に対してである。
あるがままの自然は、恵みでもなんでもない、「敵」である。無口な野菜でも、僕らに食べられないよう最大限の抵抗をしてくる。それでも僕らは、なんとか妥協点を見出して毒を口にしてきた。
私たち全ての祖先の食事は、現代の食事と同じように、利益と損失のあいだの妥協であった。
そんな僕の夕飯は・・・

10万円で家を建てて生活する寝太郎のブログ

10万円で家を建てて生活する寝太郎のブログ

10万円で家を建てて生活する寝太郎のブログ

モツ・豚汁とチャーハン。
豪華ですみません。



このエントリーをはてなブックマークに追加

category: 家庭菜園
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

コメント


18 ■Re:完全無農薬有機栽培歴18年

>kenjiさん
うらやましい・・・

毎年寝太郎 #79D/WHSg | URL
2013/03/01 13:51 | edit



17 ■完全無農薬有機栽培歴18年

私はケールを500坪の畑で18年栽培しています。肥料は鶏の糞。50羽。餌は糠に雑草。その他、何でも肥料撒けば育ちます。簡単にね。虫がつくので有名なケールですら無農薬は可能です。ただ生態系が回復するまで5年かかる。マユバチが現れるまで手で青虫を取る必要があります。ケールは普通の野菜の数倍の収穫量がある。ケールを栽培なさい。お若いの。ただ、人生、どこにも危険がつきもの。人体は擦り切れるようにできている。激しい肉体労働は筋肉は鍛えられても関節は鍛えられない。清原や松井を見ればわかるでしょ。現代は多くの人たちが歩けなくなっている。大男のアンドレザジャイアントは晩年は杖なしで歩けなかった。50代だったと思うが。驕れる者久しからず。油断しないように。

kenji #79D/WHSg | URL
2013/02/24 06:52 | edit



16 ■無農薬栽培は宗教です

当方農薬メーカー勤務。
無農薬栽培農家が病害虫、雑草を繁殖させてくれるおかげで我々が余計に潤っています。大変ありがたい限り。

で。農薬忌避の人々は果たして農薬登録申請の制度をどれだけ理解しているんでしょうねぇ。NOAELとかADIとかって概念わかってるんですかねぇ。酒もタバコもコーヒーも紅茶もお茶も飲まず、調味料として塩も使わずに生きているんでしょうねぇ。農薬より酒やその他の嗜好品のほうがよっぽど危険ですから。

私は酒も塩からい食べ物も大好きですが。有機農法で栽培された宗教産物と中国産の農産物は食べません。怪しげな連中の妄想の産物を食うリスクは犯したくないですから。

リーマン #79D/WHSg | URL
2013/01/23 20:45 | edit



15 ■無題

知り合いの有機無農薬栽培者は、ニンニクとトウガラシを発酵させた液を振り掛けることで虫を忌避しています。確かにカプサイシンやアリルシステインは致死量こそあるものの、ほぼ無毒と言いきっていいと思います。タンニンなどもそうですね。ちなみに最新世代の農薬も。
これが「タバコの葉っぱを煮た液」になると、たしかに有機無農薬臭いけど発がん性が跳ね上がります。ニコチンですから。60年代の農薬もこのくらい危なかったという話は聞きます。
極端に話せばトリカブト振り掛けたら食べられないことは分かっていただけると思います。
自然由来か、そうじゃないかという分け方は、言語によるミスリードを狙った悪質な区分と言わざるを得ません。

しかしそれでも、コルトやアファームなど広く使われる農薬に敏感に反応してしまう方が無視できない人数いらっしゃるのも事実で、上記に挙げた毒性の相対化区分もまた間違いなのかもしれません。

火を通すことも万能ではなく、耐熱性のタンパク毒やアブシジン酸、ソラニンや農薬などは残ります。精米やジャガイモの皮むき、レタスの外側の葉を剥くなどで対応するしかないんでしょうか・・・。

苫人(とまんど) #79D/WHSg | URL
2013/01/23 07:15 | edit



14 ■無題

山菜はタンニンなどのアクで動物に食われないように身を守ってるわけですが人間が食べるときのアク抜きは非常に手間がかかります。
水を変えて何度も煮ないといけないのです。

無農薬野菜は毒性があるわけじゃないしあっても
多少アクが強い程度でしょう。
そのアクが野菜らしい味を成り立たせているとも言えるわけでして。
しかし無農薬野菜は生で食べる時に気をつけたほうがいいと思います。
ある人が無農薬レタスを食べたらナメクジがついていて一緒に口に入れてしまったといってました。有機は虫が付いてるリスクが高いです。

それと自然農は収量が非常に低いんですよ。
有機栽培の半分くらいならしいです。

くまぼう #79D/WHSg | URL
2013/01/23 01:29 | edit



13 ■Re:人間とその他動物の違いで何とかなるのでは?

>苫人(とまんど)さん
所詮は机上論で現場のことは何一つわかりませんが、調理というのは今はじまったことじゃないので、調理の段階で毒を抜くのが有効なら、やはりどうしてこのような歴史を辿ったんだろうかという疑問は残ります。
『わら一本』は読み進めてますが、「この麦を見よ!」と言われても説得力が無いし、結局のところ自分には判断できないなァ。。

毎年寝太郎 #79D/WHSg | URL
2013/01/22 21:45 | edit



12 ■Re:無題

>rinoさん
藁一本は試みましたが、結局
①麦の赤さび病農薬は法的に絶対撒かなきゃいけないが米にかかるよね。登録外農薬にあたるけどどうするの?
②粘土団子めんどくさい!四人で二時間やって一反いかないとか・・・。 機械化できないの?
③コンバイン入れない。どうするの?
④米が越冬できない。どうするの?
以上が解決しなかったため、結局は労働単価が安い途上国だけにしか通用しない思想だった。で終わりました。
気持ちは痛いほど分かるんですけど・・・。

苫人(とまんど) #79D/WHSg | URL
2013/01/22 18:24 | edit



11 ■人間とその他動物の違いで何とかなるのでは?

キノコは生で食べると全ての種類が毒になります。シメジもシイタケもそうです。これはいわゆるタンパク毒という奴で、ご存知の通り食用キノコは加熱すれば毒の効果を失い、毒はただのタンパク質となります。
植物の大半はこのキノコさん達から毒を得て、虫に食べられないようにしています。ホウレンソウなんか特に顕著で、シメジ菌床を撒いた畑でとれたホウレンソウはシメジの匂いがほのかにするほどです。
仰った二者択一の件ですが、利用できる毒は二つではなくもっといっぱいあると思うのです。火を持つ人間ならこの「加熱すればただのタンパク質になる毒」をうまく使いたいものですよね。キノコ農家が大量生産もしてますし。
もし近くにシメジかシイタケ農家があれば、廃菌床を貰ってきてはいかがですか。
あ、四月から私もBライフです。あなたに非常に感銘を受けました。

苫人(とまんど) #79D/WHSg | URL
2013/01/22 18:07 | edit



10 ■Re:無題

>プロ暇人さん
近所の人が「山菜ならいくらでも採れるよ」と言ってました。
にしても北国の雪の量はレベルが違うなぁ

毎年寝太郎 #79D/WHSg | URL
2013/01/22 13:13 | edit



9 ■Re:無題

>ygtさん
完璧な方法だったらとっくに普及してるはずだし、何かしらあるんだと思いますが・・・

毎年寝太郎 #79D/WHSg | URL
2013/01/22 13:12 | edit



8 ■Re:無題

>rinoさん
本の紹介ありがとうございます。
今読みはじめました。ちょっと詩的で苦手ですが・・・

毎年寝太郎 #79D/WHSg | URL
2013/01/22 13:10 | edit



7 ■Re:植物の持つ農薬機能について

>名無しさんさん
検索してみました。おもしろかったです。

毎年寝太郎 #79D/WHSg | URL
2013/01/22 13:08 | edit



6 ■Re:無題

>あかさん
んまいですよー

毎年寝太郎 #79D/WHSg | URL
2013/01/22 13:05 | edit



5 ■無題

野菜ならやっぱり山菜が最強だよ。
きっと毒があるんだろうけど、不思議とやみつきになるお味。
寝太郎も山菜とってみたらどうかな?結構はまるよ。経済的にもグッド。

rinoさんのおすすめの「わら一本の革命」はいい本だよね。自分も読みました。

プロ暇人 #79D/WHSg | URL
2013/01/22 08:54 | edit



4 ■無題

機知に富んだ、本質的な意見だと思う
自然農法は、長い年月をかけて無農薬、他収穫を目指したやり方かもしれないがそれが普及しないのは、やはり手間がかかる、難しいからなのではないのか
その件に関してはとっくに寝太郎さんの意見で言及されているし、その本ももう読んでるんじゃないかな

ygt #79D/WHSg | URL
2013/01/22 08:52 | edit



3 ■無題

寝太郎さんこんにちは
私はこの自然の毒か農薬かどちらかのリスクは負わなければならないというよな物言いには賛成できません。
農薬?しょうがないでしょという意識は誰しもが持っていると思いますが、それを少しでも変えていくことが必要だと思っています。
ぜひ福岡正信さんの「わら一本の革命」等、自然農関係の本を読んでみて下さい。

rino #79D/WHSg | URL
2013/01/20 21:13 | edit



2 ■植物の持つ農薬機能について

「コンシェルジュ」という漫画が「美味しんぼ」を悪例と皮肉ってる話があります。内容はまさに日記にお書きになっている感じです。興味がおありでしたら漫画喫茶にでも行かれた時探されるとよろしいかと思います。原作:いしぜきひでゆき、漫画:藤栄道彦「コンシェルジュ」第8巻「野菜戦争」の回です。
「コンシェルジュ 農薬」で検索されればおおまかな粗筋が紹介されているのでそれだけでも把握できるかと思いますが、「コンシェルジュ」自体結構面白い漫画ですので通して読まれてもよろしいかと思います。

名無しさん #79D/WHSg | URL
2013/01/20 20:10 | edit



1 ■無題

そのままでは食べられないものをいかにして食べるのか、って結構面白いです。
例えば、渋柿を干し柿にすると甘くなるとか。
他にも、「そこまでしてるのか!」と驚くものもあります(葛粉、ゼンマイ、かつての主食?ドングリなど)。
そう言ったものに、どうやって辿り着いたのだろう。何だか不思議な気分になる。

それにしても、うまそうな夕飯だ。

あか #79D/WHSg | URL
2013/01/20 19:08 | edit



コメントの投稿

Secret

プロフィール

最新記事

最新コメント

著書

カレンダー

カテゴリ