寝太郎ブログ

2月10日文庫本発売→『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫)』

ディオゲネス型(乞食型)  


1.カント型(蟄居型)
2.デカルト型(放浪型)
3.ヴィトゲンシュタイン型(隠遁型)
4.ディオゲネス型(乞食型)

シノペ(今のトルコ北端)のディオゲネスは、造幣局において硬貨に混ぜ物を加えた「通貨変造」の罪に問われ、国外追放となる。
市門より追い出されたディオゲネスは、宿と食とを乞いながらの放浪を続け、あまりの困窮の故に同行していた奴隷にも見捨てられ、そこで「生きることの基底にあるのはノモス(慣習、掟、法)ではなくフュシス(動物的自然)である」という開悟体験を得る。

人間が生きていくための糧は神々によって容易に与えられているのに人々はそのことが見えなくなってしまっている(ディオゲネス)

フュシス(動物的自然)とは、動物的本能主義のことではない。つまり、本能や情念(パトス)の赴くままに振舞う放埓な生き方のことではない。このあたり、快楽主義に関しても誤解されていることが多い。

彼が開眼したのは、むしろ、「人」として尊厳を持って生きうるか否かのぎりぎりの判断がそれに拠ってこそ最終的に下される「理性」(ロゴス)の哲学であった。(『哲学者ディオゲネス』p.113)

理性こそが「自然にかなった労苦を選んで幸福に生きる」ことを可能にする。

流浪の末、アテナイに辿りついたディオゲネスは、ゼウス神殿などで勝手に寝泊りしたり、樽を住居としたりするようになる。
ディオゲネスが目指した「自足」の生活とは、生活上の「必要」をミニマムなものにまで切り詰め、「何一つ必要としない」神々に近づき、「アタラクシア」(無憂)の境地に達しようとするものであった。

ディオゲネスが国外追放となったとき、既に55歳。人は何歳になっても、体験によってまるっきり人が変わってしまうことがあるということだ。これは、素晴らしいことだ。

ちなみに、ディオゲネスはコスモポリタン(世界市民、地球市民)の概念の創始者とされている。

 



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