寝太郎ブログ

2月10日文庫本発売→『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫)』

何ひとつ良いことが起こらない  


今はモアルボアルという所にいる。ここに来るのは二回目である。

セブシティからモアルボアルに来るローカルバスで、同じくモアルボアルにダイビングに向かうフィリピン女性二人と一緒になった。僕はモアルボアルは二回目、彼女らは初めてだったので、降車場所についてどうやら彼女らは僕をアテにしていたらしい。僕はといえば、全然記憶にないので、運賃集めの兄ちゃんをアテにしていた。で、結局、乗り過ごしてしまった。本来降りるべきだった場所までかなり長い距離をトライシクル(サイドカー付きのバイクタクシー)で走ることになって、彼女らが交渉してくれて、確かに「スリーシックスティーズ(60ペソ×3人)」と言っていた。彼女らと僕はビーチが違ったので、彼女らは先に降りた。そうして僕が目的地に着いたところで、トライシクルのドライバーが「150だ」と言ってくる。「いや、60って言ったでしょ」と僕。「彼女らは合わせて50しか払ってない。」いやいや、それじゃあ計算が合わないじゃないか、現地語わからないと思って口からでまかせを・・・。いろんな文脈や雰囲気から言って、彼女らがちゃんと払わなかった可能性はほとんど無い。でも、証拠は無い。もう面倒くさいので130出してサヨナラした。20まけさせたわけではない。「180だったはずのところを彼女らが50しか払わなかったんだから残りは130だね」と、せめてドライバーが作り損ねて失敗していたストーリーを完結させた。

とまあ、バックパッカーしてるとこんなことはいくらでもある。悲しいのは、あの種の人間が繕うフレンドリーな態度。「フィリピンは初めてかい?」「名前は?」「私は・・・て言うんだ、よろしくね」(笑顔で握手)それで結局、最後に嘘をつかれるか、ぼったくられる。それならいっそのことナイフでも突きつけてくれりゃいいんだ。

旅の風物詩として受け入れることはできない。悪人は悪人面をしていて欲しい。僕は、こうした「偽の経験」に対して、人間の脳がどのように対処しているのかよくわからない。非常に不快に感じる。日本でもそうだが、そうやって人の心に不信を招き、可能性を増やし、情報判断を複雑にさせている全ての人間に対して憎しみを感じる。人を信じるという数奇な機構が正常に機能している社会、それが「良い」社会だろう。そういう意味では確かに、資本主義は良くないというか、うざったい。

モアルボアルは本来静かな田舎町なのだが、安宿やショップがあるビーチ中心部はもう、夜まで大音量で謎の音楽が鳴り響き、バイクが屯しており、外見と値段だけ真似した偽の料理が跋扈し、全ての物価が狂い、「タクシー?タクシー?」「ウェアーユーゴーイン!」「マッサジー、マッサジー」というあのデリカシーとインテリジェンスとホスピタリティを一片も感じさせない下衆な声が飛び交い、既に何の趣もなく、観光地としては終わってしまっている。どうしてどこもかしこもこうなってしまうのだろうか。

ビーチにいると日本と同じくらいお金が出て行くのだが、ビーチから町までは3~4キロあり、屯しているトライシクルを使うと50ペソ取られる(地元民は10ペソ)。仕方が無いから僕は歩いて行ってる。で、途中で地元民を乗せたトライシクルを見つけたら止めて一緒に乗せてもらう。少し色をつけて15くらい払う。

とりあえず良くないのが、僕の唯一の趣味がダイビングだということだ。それこそ魚を釣って質素に暮らしていた第三世界の辺鄙な田舎町に生み出された超局所的な亜空間に行かざるを得ない。

理想を言うなら、安くて静かな宿、きれいなビーチ、旅行者を知らない地元民、ローカル食堂、シュノーケリングとハンモックでのんびりして、たまにダイビング。そういうところに行きたい。10年前のタオ島は奇跡だったのだ・・・。

それから、パソコンの故障とカードの不能が両方同時に来てゲンナリしている。パソコンのほうはCPUの問題らしく(DELLパソコンのビープ音7回)、一人ではどうしようもない。カードのほうはおそらく一度も使わずに放置してあったので停止されているようなのだが、カード会社に連絡を取る手段がない。旅行だけでなくいろんな出費が重なって、使えていたVISAカードもしばらく使えなくなった。こっちへ来てからそんなことばかりやっている。

もうどこの宿にもWi-Fiが飛んでいて、旅行者はスマホやタブレットを持ってきているのが前提となっている。安宿街で一時期盛んだったインターネットカフェはほとんど見当たらない。近くに唯一あったネットカフェは完全に地元の子供の巣窟と化しており、使っているうちにウィルスが10近く検出され、履歴を見たら過去の諸々がズラリと出てきたので、何もする気になれなかった。今は遠くまで来て、少しまともなネットカフェを見つけ、日本語入力をインストールして使っている。

はー、早くカードとパソコンなんとかしないと。いろいろ作業もできないし。ブログもネットカフェから書くと落ち着いて書けない。今読み直したが、長くてぐちゃぐちゃ。文句ばかり。消すかもしれない。


* * *

・ごはーん

P1050715.jpg

P1050714.jpg

ビーチからてくてく歩いてツーリストエリアを離れ、地元の学生に混ざってローカル食堂。手前はナスとひき肉の炒め物、奥は謎の肉。両方とてもうまかった。50ペソ(≒115円)。




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category: フィリピン
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コメント


寝太郎さんは根底からcheap&economical仕様にできて
いるからぼったくられても300円程度。

自分はローマで6万円ぼったくられた。 韓国では2万円。
他にもあれこれ。限りなくゼロ円のサービスや物に対して。 
思い出すと心が痛い。  自分の当時の浅はかさに情けなく
なってくるしまた今も大して変わっていないことに愕然とする。

Bライフ仕様に設定したら、たかられても数百円程度。
この点からも世間知らずな人間はBライフ始めるべきだと
推奨されますな。
  

    #- | URL
2014/07/16 21:21 | edit



ネットカフェでネットができるのなら
Skypeで日本に電話しては?
skypeクレジットを購入すれば、一分あたり2.6円(+接続料5円ぐらい)
で日本の固定電話に電話できますよ。全てネット上で完結できます。

または、携帯電話のSIMを購入して国際電話をかけてみては?
これもかなり安い料金で通話できるはずです。
詳しいブログ等が沢山あるはずなので調べてから購入すれば安心だと思います。
携帯電話をお持ちでなければ、2000円も出せば一番安いのが購入できると思います。

ぶん #- | URL
2014/07/16 15:57 | edit



ゲストハウスの様子も聞かせてほしいです。

フィリピンは島が、たくさんあって、価値観を共有するのが難しい国ですね。
ましてや海洋民族なので、どこから流れて来ているかわからないでしょ。

世間は住みづらい #- | URL
2014/07/16 14:30 | edit



日本人の感覚からしたら安くても、現地の相場からしたらぼったくられてるわけだからな。かなりムカついて当然だろ。正直デリカシーがないとしか言いようがない。タクシーの運転手なんてのは底辺職だからそういう程度の低い人間が多いんでしょ。まぁどこもそうだろ。

No Name #- | URL
2014/07/16 11:18 | edit



文化的な生活をするなら日本のほうがいいでしょ。

ζξ #Wre5srcQ | URL
2014/07/16 10:19 | edit



何となく分かるよ。人間、ピュアがいいよね。
たくさん見て動いて感じてきて。
そして相模川へダイブできるような逞しい漢になってきて!
今一定の場所にしかいれない私は毎回更新を楽しみにしてます。
頑張れ寝たロウさん!

an #- | URL
2014/07/16 00:17 | edit



おばちゃんきもいw.寝たロウも日本の相模川でダイビングでいいんじゃない

おばあちゃん #- | URL
2014/07/15 23:32 | edit



人間不信ですか~(^^;
私も寝太郎さんを「ぎゅっ」てしてあげたいです。
今、うちの猫ちゃんを寝太郎さんだと思って「ぎゅっ」してますよ。

踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂・・・
でも、ダイビングはできそうなんですね?
今日もごはーんがうまくて何よりです(^^)

おばちゃん #02S5XAik | URL
2014/07/15 23:21 | edit



いいなー
旅中はとらぶればとらぶるほど良い想い出になる
自分は「騙される」前提で海外旅行に行きます

海外旅行のブログ良いですね
いつにもまして更新を楽しみにしてます

No Name #- | URL
2014/07/15 23:17 | edit



同感!

寝太郎さん、とても楽しく拝読させてもらっています。

私も,タイで「ぼったくられる」てとても腹がたちました。
日本人が男一人で観光地でタクシーをひろうと
たいていぼったくられますよね。怒って,タクシーを
停めさせ、応分の料金だけ払って降りたことも何回も
あります(その後、灼熱の不便なところで降りたことを
我に返って後悔するのですが・・・・)

 冷静になると、わずか100円~数百円の話だったりして
「なんであんなに怒ってしまったのか?」とがく然とします。
同じですね!!同じ感覚の人がいることでほっとしました。
東南アジア人は、「日本人はみな金持ち、もらって当然」なのでしょうね。
観光地でないと、とてもまじめでよいタクシー運転手もいますが。
でも、フィリピンは銃を持っていることもあるので気をつけて!!

MAT #- | URL
2014/07/15 23:03 | edit



1ペソ=2.33円

130ペソ=約303円
や、やすい。。  

ぼったくってこれか。

しかし金額の問題でないことは分かるぞぉ

    #- | URL
2014/07/15 22:28 | edit



せっかく海外まで何かを見つけにいったのに、寝たろうさんの
人間不信?に磨きがかかりそうで、どーたらこーたら。

    #- | URL
2014/07/15 22:15 | edit



今の状況の寝太郎さんにとって予期せぬお金の減りは一大事でしょう。
下手すると帰りのチケット買えないかもしれない。
旅は楽しんで欲しいけど、スリルも一緒にあるね。

No Name #- | URL
2014/07/15 21:53 | edit



日本と外国では常識も文化もまるで違う。チップのような感覚も。
彼は悪人でもなければ嘘をついたり騙そうとしたなんても思ってない。
フレンドリーなのもぼったくるのもごくごく自然なこと。
まさかこんな文章にするほど根に持たれてるとは夢にも思うまい!

大概の日本人は郷に入れば郷に従えでそんなに気にしないんじゃないですか。
私もタイに行ったときは小銭のお釣りはもらわなかった。
彼らにとっては大事な生活源なのです。

もち #- | URL
2014/07/15 21:44 | edit



>寝太郎
今すぐお前の元に駆けていって、お前を抱きしめてやりたいよ・・・
変な意味ではなく、俺がお前の癒しになれたらどんなにいいかと思う。

お前には結局、「ぎゅっ」が足りない。
中年になってわかることもある。
人間、男も女も「ぎゅっ」が必要なんや。

卍 #- | URL
2014/07/15 21:23 | edit



えーと、今度いつ行くかわからないけど、出かける前はカードが使用可能かどうかと、できれば複数あるといい?
そして、スマホ?
もう今はトラベルチェックなんて使う人はいないのか。
なんか、大変。

No Name #- | URL
2014/07/15 20:55 | edit



お金に執着しすぎなんじゃないですか。

少しぼったくられても所詮お金の問題。肩の力抜けよ。僕がちょっと得したんだからいいじゃないの。

そんなふうに(心から)思ってのタクシードライバーの笑顔じゃないでしょうか。

jpeg #- | URL
2014/07/15 20:05 | edit



理想の地はまだどこかにあるのでしょうか

フレンドリーも作りもの、かぁ。

ふーむ。。。

私はだいぶ情弱なんだろうと思いました。

kaz #- | URL
2014/07/15 19:55 | edit



毎日室内で仕事している自分からは
全て羨ましい経験

CJ #z8Ev11P6 | URL
2014/07/15 19:38 | edit



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