寝太郎ブログ

2月10日文庫本発売→『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫)』

旅はなかなか楽しいということが言いたい  


何も楽しくない。どこへも出かけない。誰とも出会わない。何も感じない。全部予定通り。何も感じないが、全部覚えている。覚えておいて、あとから感じられる時に感じればいい。

安くて静かな宿を探して、気に入ったらしばらく滞在して、ある日思い立って宿を変える。ドミトリーなら120B(≒360円)まで、シングルなら150B(≒450円)まで。近くにおいしい屋台やローカル食堂があれば完璧。

今いる宿には、口数の少ない年齢不詳の中国人女性が僕よりずっと前から滞在している。今はローシーズンなのでどこの宿も人は少なく、ドミに僕が一人、シングルに彼女が一人、計二人しかいない。一日目は何も話さず、二日目に中国人だということがわかり、三日目に職業がわかり、四日目にまた何も話さない赤の他人に戻った。出会わなかったことになった。

彼女は7年前に出版社の編集者を辞めて、フリーで小説を書きながら瞑想したり旅をしたりしているそうだ。瞑想と言っても、僕なんかの似非瞑想と違って、一ヶ月みっちりである。お互いほとんど喋らずに共用スペースで黙々と作業しているので、そういうわけで今、とても居心地が良い。

昼近くに起きてカオソイを食べに行く。帰りに小さな果物屋でドラゴンフルーツを買って共用冷蔵庫へ入れておく。シャワーを浴びて洗濯をする。果物とコーラを出してきて、共用スペースで作業する。

あんまり暑いときは昼寝をしてやり過ごしたりする。寝ると体温が下がる。夕方、目が覚めて、気温と湿度と扇風機のそよ風と網戸の外から流れ込んでくる夕暮れの気配とがピタリとはまっていたときの気持ちよさは、エアコンルームにはない。

日が暮れたらソムタムを食べにゆく。最近は肉料理無しで、ソムタムとご飯だけで済ますことが多い。帰ってきたらもう一回ざっとシャワーを浴びて、共用スペースで作業する。中国人の流している静かなギター曲がBGM。

中国人は夜10時か11時頃には自分の部屋へ戻って寝てしまう。あるいは就寝前の瞑想をしているのかもしれない。そこから深夜3時くらいまでの静寂をゲッコータイムと呼んでいる。天気と気分がいい時は徘徊する。

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category: タイ

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