寝太郎ブログ

2018年12月6日雑誌発売→『kotoba(コトバ) 2019年 冬号』特集・孤独のレッスン

僕は強欲な人間だと思う  


今という時間はどうしたって即物的で、原理的に美しくなりえない。過ぎ去ったものは全て美しい。過ぎ去ったものだけが美しい。

しかし、過ぎ去った美しいものは、過ぎ去ったことによって美しくなったのであって、最初から美しかったわけではない。

だから、今が美しくないことを嘆くのはお門違いというもの。今をなんとか美しくしようと思うからしんどいのだ。今は美しくしようがない。美しくしようと思えば思うほど、その執着心が時間を汚してしまう。

そういう了解のもとで生きてゆくためには、美しくない今を美しくないままに泳がせながら、ゆっくり時間を醸造してゆくしかない。未来に委ねるしかない。

しかし、堪え性のない僕みたいな強欲な人間は、今に生きながら同時進行で、今を過ぎ去ったものとして感じようとする。今絶対に手に入らないはずの美しさを、何が何でも今手に入れようとする。





category: 彼岸
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