寝太郎ブログ

2018年12月6日雑誌発売→『kotoba(コトバ) 2019年 冬号』特集・孤独のレッスン

恋かもしれない  


昨晩、治験センターのお偉いさんに呼び出されて薬剤師さんに囲まれて「寝太郎ってあなたですよね」と言われた。「世の中には世話好きな人がいてねー、教えてくれた人がいてねー、面白い人だなーと思って読んでたんだけど」「よく書けてます。薬の説明の際の参考にさせていただこうかな」などと、やたら笑われたけど、ブログの読者が一人増えた。

まあ、他の被験者の個人情報や薬の化合物名などは絶対に避けるよう、釘を刺された。僕はなんとなく、ひたすら恐縮していた。変なことは書いてないが、やはりブログというのは一人でごそごそ書いているものであって、日常生活に関わる人間が見るものだというつもりでは書いてないから、突然「寝太郎さんですよね」と言われると恥ずかしいような、なにかまずいことを書いてないだろうかというような、変な気持ちになる。

僕がガンジーの本持って来てることとか、10万円の山小屋のこととか、河川敷でテント暮らししてることとか、諸々のことが知れてしまった。「こんな試験、なんでもないぜ」という感じで平然と終わらせて帰ってゆくつもりだったのに、けっこうビクビクいろいろ考えて逡巡して来たこともたぶんバレてしまった。

一昨日はランニングマシンのようなもので運動負荷テスト。昨日は無投与時の心電図測定。今日から投与で、今日は採血と心電図が無限回ある。飛行機と同じで、最初と最後の離着陸が大変らしい。自覚症状があるので何かしらの薬を飲んでる感はある。この胸のドキドキは恋でないとしたら薬だろう。治験薬でおそらく出るかもしれませんと言われた頭痛はない。よくわからない。

しかし、お偉いさん、心電図測定終わってから呼び出して欲しかった。一本飛び出てる波形があったら勘弁してください。

なんかここ数年で、幾度となく「責任者」なる人に呼び出された記憶があるのだが、こんなに品行方正な猫みたいに害のない大人しい人間なのに、なんでだろ・・・。




category: 治験

治験1日目  


例によって、あまり細かいことは書けない。

昨夜またホテルで前泊、今日は事前検診と同じような検診があった。今日も何人か帰らされて、3日後の投与日までにまた何人か帰らされる。最初に事前検診に参加したであろう人の総数と、最終的に治験に参加する人数とを比べると、3割程度に絞られるのだと推測される(※かなりアバウトです)。特に、長期の治験は選考が厳しいらしい。選ばれし健康体というわけである。

食事は満足だが、秒単位で管理されていて、時計の秒針が「12」を指した瞬間「はい食べてください」と指示される。いつもたくさん食べてる人は少し量が足りないかもしれない。夜中はスマホも回収され、23時消灯、入眠を強制される。

スケジュールは管理されているが、自由時間はとても長い。というか、ほとんど自由時間。ベッドは自動リクライニングで頭も足も上がり快適。夜ちゃんと寝るために日中はなるべく寝ないように言われているが、昼間寝ても夜も寝れる僕みたいな睡眠強者はあまり関係ないだろう。

持ってきた本は、軽い文庫を10冊くらい、漱石、太宰、ガンジーなど。ほとんど以前読んだことがあるのを、また読み返すつもりで持ってきた。あと一応、USB接続のワンセグチューナーを買ってきた(Amazonで1000円~)ので、小さなテレビはパソコンで見ることができる。入院期間中は、久々にテレビもいろいろ見てみようかなと思っている。ラウンジには暇つぶしグッズがいろいろ置いてあるらしいが、あまり行かないと思う。

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治験のリスク  


クリスマスに電話をもらって「(モルモットとして)適格です」と言われた。まだ100%行くとは決めていなくて、一応、迷いながらいろいろ考えている。


今回の治験は、二種類の市販薬品A、Bの配合薬Cである。AとBは共に30年ほど市販されているものであり、しばしば同時に、長期間投与されている(だからこそ配合薬が作られている。ところでこのケースは新薬に該当するのだろうか、ジェネリックに該当するのだろうか?)。

配合薬Cについては、既に一度治験が行われており、その資料も渡されている。

資料によれば、Cの主な副作用としては、頭痛(頭痛がある場合は頭痛薬が施される)と、心電図に関する重大な副作用(6%が発現。ただし日本人はゼロで中国人のみ。治験終了時までに回復)。

既に流通しているA、Bの添付文書などをざっと調べたところ、Cの副作用は既にA、Bに見られるものである。

Aは血液をサラサラにする薬(抗血小板剤)で、かなりの頻度で頭痛が発生する。血流が良くなり、脳血管に圧力がかかるためである。
Bはコレステロール値を下げる薬(脂質降下薬)で、心電図に関する件の副作用が報告されている。

今回、二回目の治験が行われるのは、後者について明らかにするため。一回目の治験は、Cと偽薬のみで行われたため、Cの副作用がBと同程度なのかBより少し悪いのか判断がつかなかったため、ということである。

今回はA、B、C、偽薬の四種類を等確率で投与される。


少ない情報と少ない知識で、具体的な因果関係やリスクなんて評価のしようがない。個人の経験談も、専門家のアドバイスも、何も参考にならない。これが原因でこうなってああなってこういう結果が出るなんて単純な話ではない。人体は全体性を持って有機的に動いている。

わかっているのは、薬というのは毒以外のなにものでもないということであり、既に体のバランスを失してしまった人(つまり病人)が、数多ある副作用を承知でやむを得ず飲むものだということである。

何かちょっとバランスが崩れると、そのバランスを薬で一気に取り戻そうとして、もっとバランスが崩れていく。健康でいるためには、健康な生活をするのが一番。適度な食事、適度な運動、適度な睡眠。

血液の粘度やコレステロールは、あるべくしてあるものであり、巷で流行の「血液をサラサラにする」「コレステロール値を下げる」とかいうのは部分的な因果関係から出てきた嘘に決まっている。バランスのとれた健常人がわざわざバランスを失いにいくようなものである。

たとえば脂質降下薬をインターネットで検索すると「飲んではいけない!」みたいなあらゆる真偽不明の噂が飛び交っている。それをまとめてコメントで忠告してくれる人もいる。細かな数字はともかくとして、飲んではいけないのはあたりまえである。あるべくしてあるコレステロールを長期間極端に少なくすれば、何かしらの弊害が生じるだろう。AやBは本来、脳梗塞等の再発予防として、長期間に渡って飲み続けるものである。結果的に何の副作用ももたらさないわけがない。最終的な死亡率、癌、白血病などに影響をもたらすとしてもなんら驚かない。脂質降下薬に限ったことではない。誰もが飲んでる頭痛薬だって、ストレスだって、カフェインだって、何だってそうである。

ちなみに今回の投与は14日間。

何もわからなくても、決断はせねばならない。




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